活況を呈する民間建築市場でゼネコンの受注競争が激しさを増し、各社エンジアリング部門による提案合戦が白熱している。企画、設計、施工、維持の各段階に対応するのはもちろん、工場を中心に工期短縮要求やクリーン化対応などの高度な技術要求も増えている。中でも工期の短縮は建築主にとって魅力的に映ることから、他社との差別化につながる。勝負をかけて算出した見積もり額が他社と拮抗した場合、「工期短縮」による施工効率化の提案が受注の決め手になる。
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完成時期が早まれば、建築主側の事業採算面で大きなメリットが生じるだけに、工事費が多少高くても工期短縮の提案を選択する建築主も少なくない。とくに在庫を持たない電子デバイス系などの生産施設では、市場への商品投入を急ぐ必要性から、数万平方メートル規模の工場でさえ、企画から稼働までが1年間という短工期を強く求められる。このような要望に対応するためには、企画段階から具体的な施工手順を加味した計画立案が欠かせない。加えて、製造工程を合理化する提案まで要求される。しかも、建築主から提示される完成期日とは「竣工でなく、工場の操業開始」を意味するだけに、工事と並行して生産ラインを組む施工プロセスを実現する必要がある。企画段階から綿密な施工計画が求められるため、生産系施設ではゼネコンへの設計施工一括発注が急速に増加している。一括発注は設計施工だけでなく、製造装置や搬送システムにも及ぶ。実際に1年で稼働するためには、建物の施工に6ヵ月程度しか充てることができない。従来は、建物と製造装世や搬送システムを建築主側か分離発注する「部分最適化」が一般的だったが、短工期の要求に応えるため、ゼネコンなどが一括して受注する「全体最適化」が増えている。