押えコンクリート表面の劣化について述べる。押えコンクリートには伸縮目地が切られているものの、表面にひびわれが生じがちである。もともと伸縮目地から雨水は押えコンクリートの裏面に入りこむ構造になっているので、多少のひびわれは防水層に悪影響を与えるものではない。ただし、ひびわれが生じると、ひびわれ周辺にコンクリート中のカルシウム成分が析出してきて、コンクリートをぼろぼろにしてしまうことがある。ひびわれは早めに補修しておくにこしたことはない。押えコンクリート仕様の場合、日常の保守管理を十分にしていれば、本格的な防水改修は入居二〇年台なかばになってからになると思われる。改修にあたっては、押えコンクリートを防水層とともに撤去して、防水をやりなおすか、押えコンクリートの上に新たな防水層を構成するかを決める。実際には、押えコンクリートを撤去するのはかんたんではない。表面の押えコンクリートの風化現象がひどい場合を除いて、押えコンクリートの上に新たな塗膜防水層を形成することが多い。この場合、注意しなければならないのは、押えコンクリートの劣化部分の補修と、伸縮目地まわりの処理である。とくに目地まわりの下地処理を十分にしないで工事をすると、四〜五年のうちに伸縮目地のところから、新たにほどこした防水層が破れてくる。なお、押えコンクリートの上に塗膜防水をほどこす際に、押えコンクリート下にまわりこんでいる水分から立上がる水蒸気を、脱気してやる配慮を忘れてはならない。
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